天候 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量(前日18時〜当日18時) | 風向・風速 | 気圧 |
晴後霧・にわか雨 | 14.5℃ | 9.5℃ | 4mm | 南 2m | 712hp |
大キレットの岩場へと向かう二人は長野県警察山岳遭難救助隊の隊員。 県警は7月26日からお盆過ぎまで、遭対協の常駐隊は7月中旬〜8月下旬まで涸沢をベースに活動しています。 そしてこのように時々常念や燕方面・槍方面へパトロールに回っています。 また同じように岐阜県警と北飛救助隊と言う組織が新穂高温泉の指導センターと穂高岳山荘をベースに笠・双六・槍・穂高の山々をパトロールに回っています。 この時期は山小屋も忙しいうえに事故も多い。 そんななか、こういう人たちが活動しているということは登山者はもちろん、小屋の人間としても心強いものです。 今年は総じて遭難事故も少なめでいたって静かだそうです。 このままお盆、そして夏の後半へと大きな事故もなく経過してほしいものです。 話は変わりますが、先日この南岳にも低体温症の患者がでました。 テント泊の人だったのですが、その日は天気もよく比較的温かだったのに仲間からの知らせを受けてテントに行ってみるとその人は立つことはおろかろくにしゃべることもできなくらいに寒さで震え、手足の痺れを訴える。 急いでストレッチャー(担架)で小屋内に運び入れ、居合わせた元医師のお客さんの処置で翌朝にはだいぶ回復しました。 ただ、まだ完全には復調しておらず下山するにも不安があったし、警察にも前日来事情を説明しており「自力下山が不可能な場合はヘリによる搬送」ということですでに打ち合わせをしていたのですが、その彼は「仲間を手を借りてでも自分の足で下りたい」と言った。 いやあ、これにはちょっとばかし感動したね。 そんな話をこの二人の警察官と話をしていると、向こうはこんな出来事を教えてくれた。 先日、前穂吊尾根で捻挫による救助要請があったらしい。 (しかも現場はあきらかに長野県内なのに岐阜県警へ 〜これの意味がわかる人にはわかると思います) しかし実際はただバテテしまったから救助要請したらしい、しかしそれでは山岳保険が適用されないので捻挫だと嘘をついて通報したとのこと。 その後、岐阜県警から岐阜の消防→長野県の消防→長野県警と話がたらいまわしになるうちに自分で下りると言い出したらしい。 果たしてそれが民間ヘリでの救助となると何十万、あるいは百数十万円の費用を請求されかねないと危惧したためかどうかは定かではありません。 前者の彼は私の目からみてもヘリでの下山が過剰ではなく、たとえ岐阜県警のヘリで無料搬送となったとしても「遭難」という汚名を受けたくはなかった。 そして、後者は今話題の「携帯電話による安易な救助要請」のまさに典型例ですね。 ヘリをタクシー代わりに呼ぶというのが本当にあるんですね、しかも嘘までついて。 自分の目の前にはそんな人が現れないことをただ祈るのみです。 |